新青森駅からバスで約15分の場所にある三内丸山遺跡に行ってきました。ここは、2021年に「北海道、北東北の縄文遺跡群」として世界遺産登録がされている遺跡群のひとつで、縄文時代前期から中期にかけての大規模な集落跡です。

建物の中を通り、トンネルを抜けると遺跡群が広がるエリアに出ます。

案内看板に描かれた赤いマークは、北海道と青森県、そして縄文土器をモチーフに、津軽海峡の波をイメージしてデザインされたものだそうです。
遺跡エリアに入ってすぐの場所にあるのが、「環状配石墓(かんじょうはいせきぼ)」と呼ばれる、大人のお墓を石で円形に囲んだ遺構です。

遺跡内を通る現在の通路は、縄文時代の道路跡の上に設けられているそうです。
また、敷地内には、復元された竪穴式住居や高床式住居がいくつも建てられており、当時の暮らしぶりを間近に感じることができます。

遺跡内では、今もなお、いくつかの場所で発掘作業が行われていました。

こちらは「盛土」と呼ばれる場所で、竪穴式住居をつくる際に掘り出された土や炭、石器、壊れた土器などが捨てられていた場所です。いわば、当時のゴミ捨て場ですね。
実際に、土器の破片などがびっしりと詰まっていました。

盛土のエリアを抜けた先には、竪穴式住居が復元されていました。よく見かける茅葺きに加えて、樹皮葺きや土葺きの、3種類の屋根で再現されています。
手前に見えるのが土葺きの住居で、奥にあるのが樹皮葺きのものです。

こちらが、茅葺きの住居です。

この遺跡からは、長さ10メートルを超える大型の竪穴式住居跡も発見されています。こちらが、その住居跡です。

こちらは高床式住居です。地面から炉や床の跡が見つからなかったことから、高床式だったと推測されているそうです。

こちらは、もう一つの盛土です。たくさんの土器の破片が散らばっていますが、盛土ではこのような状態で、複数の層にわたって重なっているのだそうです。

こちらは、「北の谷」と呼ばれている、当時のゴミ捨て場です。

水分の多い場所だったことから、動物や魚の骨、種子などの有機物が良好な状態で見つかっており、当時の食生活を推察するうえで貴重な手がかりとなったそうです。
こちらは、大型の柱を使った建物跡です。この穴には、直径2メートルものクリの木の柱が建てられていたそうです。穴の中には、実際に見つかった木柱も展示されていました。

こちらは、先ほどの建物跡をもとに、高さなどを分析して復元されたものです。ただし、当時の屋根の形までは分かっていないため、このような形での復元になっているそうです。

遺跡エリアから戻り、建物内の常設展示室へ向かいました。
ここでは、大量に出土した土器や土偶が展示されています。ちなみに、この画像に映っている縄文土器は、すべて重要文化財に指定されているそうです。

こちらは土偶です。これだけオシャレに展示できるほど、多くの土偶が出土したということが想像できます。

極めつけは、縄文土器の欠片を壁一面に散りばめた「縄文ビッグウォール」というフォトスポットまで用意されていました。

それもこれも、展示されていないものを含めて、まだ大量の土器が残っているからこそできることなんでしょうね。

三内丸山遺跡を一通り見学したあとは、徒歩圏内にある青森県立美術館へ向かい、「青森犬」を見てきました。
青森犬は、美術館の中に入らなくても屋外から見ることができます。

新青森駅から観光バスで気軽にアクセスできる三内丸山遺跡。皆さんも、縄文ロマンに浸りに出かけてみてはいかがでしょうか。