「天空の城」「日本のマチュピチュ」として知られる竹田城に行ってきました。ちょうど姫路に予定があり、しかも雲海シーズンだったこともあって、思い切って竹田城まで足を伸ばしてみました。

前日は和田山のホテルに泊まり、翌朝5時過ぎに出発しました。しかし、天空バスの発着地である竹田城観光駐車場はすでに満車で、やむなく臨時駐車場へ向かうことに。臨時駐車場から約10分歩いて竹田城観光駐車場に着くと、すでに長蛇の列ができていました。

バスは時刻表どおりには来ない状態で、実際に乗れるまでさらに20分ほどかかりました。待っている間に係員の方に伺ったところ、こちらの駐車場はなんと朝4時には満車になるのだそうです。

こちらは、駐車場から見えるライトアップされた竹田城をパシャリと一枚。

バスを待っている間に、周囲が少しずつ明るくなってきました。それでもなんとかバスに乗り、竹田城バス停へ向かいます。

バス停に着く頃にはすっかり夜明けを迎えていて、用意していた懐中電灯の出番はなく、舗装された登城道をそのまま登っていきました。

観覧料を払って階段を登っていくと、いよいよ竹田城跡に到着です。途中、まだ暗いうちから登ってきたのであろう下山してくる人たちと、ちらほらすれ違いました。

いよいよ、竹田城の石垣群が見えてきました。野面積みならではの荒々しい存在感があります。石垣の上には、日の出を待つ人たちがすでにたくさん集まっていました。

大手口を通って、いよいよ竹田城跡へ登城します。大手口はしっかりとした枡形構造になっていますが、周りの人たちは皆、景色に夢中で、あまり気にしていない様子でした。

北千畳には、この方向にちょうど雲海が出ていたこともあり、ものすごい人だかりになっていました。これまでいろいろな城跡を巡ってきましたが、ここまで人が多いのは竹田城が初めてです。

みんなが景色に見入っているのを横目に、城郭そのものも眺めたいので、三の丸へと進んでいきます。

三の丸にも、もちろん日の出を待つ人たちがたくさん集まっていました。

その人たちの中に混じって待つこと15分。ついに、山の向こうから太陽がゆっくりと顔を出しました。

日の出を待ち構えていた人たちも、ここぞとばかりに写真を撮り始めます。朝日に照らされた雲海と山々は一気に表情を変え、まるで絵画のように幻想的な景色になっていました。

さて、ここからは城跡の中を巡っていきます。

このように、城の各所には櫓跡がきれいに残っており、往時の姿を想像しながら歩くことができます。

順路に従って、二の丸へ向かいます。みなさんは景色に夢中で、城郭そのものを撮っている人はあまりいません。朝日に照らされて輝く竹田城もなかなかの絶景なのに……。

そのまま、中央にある本丸には登っていきます。本丸には天守台がありますが、日の出から少し経ってあるので、人は引けてきています。あれだけ人がいたのに、みなさん、雲海と日の出が目的のためか、寒い中、天守台まで来る人は、そこまで多くありませんでした。

天守台から南二の丸や南千畳の方面を見下ろすと、雲海の中に浮かび、朝日に照らされた竹田城が本当に絶景でした。思わず息をのむほどの美しさです。

それにしても、朝日と雲海の組み合わせは本当に写真映えします。その景色に包まれていると、目の前の石ですら神秘的に感じられてきました。

さて、こちらは南二の丸です。この手前が出口方面への通路になっているためか、ほとんどの人は素通りしてしまい、ここは意外と空いていました。

南千畳も同じような状況です。この手前で下山道が分岐しているため、大半の人はそのまま下山してしまい、ここにはほとんど誰もいませんでした。

南千畳から本丸方面を眺めてみると、山の上に連なる石垣群の迫力は本当に圧巻なんですけどね。これを見ずにそのまま下山してしまうなんて、ちょっともったいない気がします。

みんな日の出とともに帰り始めるので、下山道はこのとおり長蛇の列になっていました。

そんな大量の人たちがバス停に一気に押し寄せるため、バス停は長蛇の列。人が多すぎて、早朝バスの輸送限界を完全に超えてしまっており、係員の方いわく「1時間以上待つ可能性がある」とのこと。そもそも普段は大量輸送を想定していない路線なので、バスが小さくてキャパがまったく足りていません。

というわけで、案内してもらった徒歩40分ほどの舗装道を歩いて下山することにしました。

しかし、バス以外は通行止めになっている舗装道での下山は予想以上に楽で、なんと20分ほどで麓まで降りてこられました。乗れるかどうかわからないバスを待つより、こちらの方法のほうが断然おすすめです。

今回は運よく、写真で見るほど見事ではないにせよ雲海を拝むことができましたが、これはやはり気候に大きく左右されるそうです。

もし城そのものをじっくり楽しみたいのであれば、無理して雲海シーズンの早朝に挑むより、時期をずらしてゆったり登城するほうが良いのではないかと思います。